TO SEE Archive:55
市川岳人 展
Takehito Ichikawa exhibition
2025.11.1 sat _ 11.16 sun
Special exhibition / TO SEE Archive:55

企画展《TO SEE Archive:55》
市川岳人 展
Takehito Ichikawa exhibition
2025.11.1 sat _ 11.16 sun
眼差しは一貫して木そのものの美しさに注視してきた。木を媒介とし、自然な木目、捻れや溝、割れなどを活かした実用性のある作品やオブジェを作り続ける中で、近年は自然物そのものへの敬意が一層強くなっているという。その思いから、作品になる以前の木材とじっくり対峙をして見極めながら、この数ヶ月はあえて材を活かし、手を加えすぎない造形と大きな作品にもチャレンジしてきた。市川の卓越した旋盤技術があるからこそ生み出すことができるシンプルなカタチの作品は、木の個性にただ頼るのではなく、人の手を加えた木工造形物でありながら、カタチを与えられたことで不思議と本来の木の生々しさが顕になった魅力的な迫力がある。
2018年の京都での初展から交流してきた中で、作家自身が作品や心境の変化を多く語ることはなかったが、今、新たなメタモルフォーゼの渦に身を置きながら、ある種の観念から解放され緩やかながら真っすぐと心の動く方向へ手を動かしている様が作品からも見受けられる。巨視的には大きな変容には見えないかもしれないが、その繊細なアプローチを感受できるのもまた、直に作品に触れられる展示の醍醐味ではないだろうか。その変化を感じにぜひ足をお運び頂きたい。
Profile:
市川岳人 Takehito Ichikawa
木工作家。家具・仏壇製作などを経て暮らしに関わる物作りをはじめる。生まれ育った日本という国への愛情、異国の文化や自然への憧れ、長い年月を重ねた味わい深い物への敬意と新しい物への好奇心を大切にし、今まで見て、聴いて、触れて、感じてきた全ての経験を生かして物作りと向き合う。日々の暮らしが少しでも豊かになるような作品たちを模索しながら活動を続けている。
https://www.instagram.com/takehitoichikawa/
◆作家在廊日:11月1日(土)
※ 上記の詳しい時間帯やそれ以外の日程は決まり次第、弊社InstagramやHPで随時告知いたします。
終日在廊ではない場合もございますのでご了承ください。